[盛和塾] 機関紙マラソン 110号
塾長講話 アメーバ経営が持続的な企業成長をもたらす 引用
アメーバ経営では、各アメーバが徹底した独立採算で経営を行い、必死になって採算を追求します。
アメーバ経営とは、京セラフィロソフィを理解したすばらしい人間性を備えたリーダーやメンバーによって運営され、正々堂々と競い合うことによって、また不正や不明朗なことが行われることのない公明正大な「ガラス張り経営」がなされていることによって、初めて本来の機能を発揮できる
夫婦で経営をしているような小さな食料品店では、野菜や鮮魚、精肉、さらには加工食品など、様々な食料品を扱っています。
全体でもうかっていたとしても、実態は精肉部門がほとんどの収益を稼ぎだし、野菜部門は赤字なのかもしれません。それが分かれば、野菜を根本からテコ入れするとともに、精肉は規模を拡大するなど、必要な経営の舵取りを行い、さらに店の発展をはかることができるはずです。
「時間当り採算表」では、売上と経費だけではなく、「時間当り」といい、労働時間一時間当りの付加価値を計算することで、そのアメーバの生産性が明確に分かるようにしています。
「部門の収入と経費がはっきりし、独立採算が可能な単位であること」です。つまり、その部門に収入が明確に存在し、かつ、その収入を得るために要した費用も明確に出る、この条件を満たす組織に分ける、ということです。
アメーバ経営では、会社を小さな組織に区切り、それぞれが独立採算で経営しているため、自部門の利益をできるだけ多く出そうとする意識が強くなりやすいのです。そのために、部門間の争いが起こり、会社全体の調和が壊れやすくなってしまうのです。
【気付き】
今回はアメーバ組織に関してです。
これなのですが、京セラさんが最初28人からスタートしてということをよくどこかで読みますが
28名でもその職種が違いますし、各部署の数字見えないと改善はできなかったのだと感じます。
なので28名よりも少ないスタッフだと多能工であらゆることをするので数字の判別は難しいし
社内での数字調整などもやれないのかやらないのか、あまり必要ないのでは、などと思います。
三田工業さんが傘下に入るとか、別企業がグループになれば当然その企業での数字を確認把握しますし
必要性も出てくる、事業所が違うとか部署が違うとか、アメリカと日本、東京と大阪、などで分けるからこそ
その比較によって改善も生まれる、という卵と鶏どっち先みたいなこと言いますが、
「その必要性が生まれる、会社全体として生まれる」だから「アメーバ」のような気がしています。
仮にそうだとすれば経営者が一人アメーバ導入ではなく、
「数字を分けざるを得ない状態事業所ごと分かれる、とか、別事業立ち上げ、とか」
の体制を作るのが仕事。
京セラ会計学 今こそ求められる経営のための会計学
第一の原則は「キャッシュベース経営の原則」です。
これは、会計上の数字ではなく、実際の「現金の動き」に焦点をあてるということです。これも、物事の本質にもとづいた経営を行うということから生まれたものです。
次に四番目の原則は、「完璧主義の原則」です。
これは、曖昧さや妥協を排除し、あらゆる仕事を完璧にすることをめざすものです。研究開発や製造現場では、わずかなミスが研究の失敗や不良の発生につながることから、完璧な仕事が求められています。
【気付き】
お金の動き、を考えることは常に大事。
よくキャッシュがなくなるといいますが、黒字決算でもキャッシュ枯渇で倒産はよくあります。
逆に、赤字でもキャッシュが成り立てば倒産しません、回収サイトは早く、支払サイトは手形でも使って180日ならそれだけでお金が運転資金3ヶ月6ヶ月
浮くこともあります。経営で言えば、身銭でも何でも買わないと情報が回ってこない、という現実があります。例:不動産情報など
美術品なんかもそうなのですが、黙っていても情報入るまでには時間がかかるし、キャッシュ枯渇しないように
業者間のインナーサークルに入らないといけない、このへんはすごく学びがあります。
アメーバ経営が会社を変える
三矢 裕 神戸大学 大学院 経営学研究科 教授
稲盛さんお一人の力ではこれほど多角化されたすべての事業のマネジメントはできません。これは、稲盛さんに代わって、各事業をきちんとマネジメントする人材が会社にいたからなのです。
そのエリートではない人たちを、育成したからです。より具体的には、権限を与えて、任せて、いろいろな経験をさせながら育成してきたのです。
一つ目ですが、会社の組織を家庭のサイズに近づけます。アメーバと呼ばれる十人前後くらいの小さな組織をつくって、そこを一つの会社のように運営してもらいます。
二つ目ですが、家庭はサイズが小さいだけでなく、何でもよく見えるという特徴があります。
普通の人は、一カ月間、何も情報を与えずに闇の中で答えを出すことはできません。
社長自身も成長する必要が出てくるからです。お金のこと、技術のこと、お客様のこと、環境のこと、社会全体への貢献のことなど、社員よりも高いところから広く見渡して、正しい決定を行う必要があります。それらができて初めて、社員からの尊敬を得られます。
【気付き】
京セラさんで稲盛さんが部下をマネジメントして成長させた話です。
ところで、よく稲盛さんが目標設定のときに「まずは左京区一番、京都一番、日本で一番」などの小さいところから目標設定してる話でますが、
パナソニックさんやIBMさん、KDDIのときにはトヨタさんなど名高い企業さんと仕事をしている話が出てきます。
アメーバ経営をつくりそのアメーバごとの採算を確認しつつ、塾長には1兆を超える企業形態がすでに見えていたのではないかと感じます。
この1兆を超える企業形態の場合には、どれだけのアメーバが必要なのか、どんな人材が必要なのか、そのためにはどんな情報公開が必要か、
などなど。
成功する人は最初から全然違います。1億作るにはどうするか、100億ならどうするか、と考えて不要な事業はまずしませんし、不要なら売ったりして手を離します。
なので今の形態を作るためにマネジメントを考え、権限を委譲し人を育てたのだと。
薛さん 〈盛和塾広州〉私の心理過程と康栄社の成長
盛和塾では、「六つの精神」、「経営十二ヶ条」および「成功の方程式」の学習を通じて、稲盛哲学に二十年追随したけれども、実際は荒く浅くしか理解していなかったことが身に染みて分かりました。
塾長の「現場は宝の山である」という言葉をしっかりと心に刻み、常に幹部を連れて現場に行き問題を解決しています。
朝礼の流れ、各部門の対応窓口、アメーバ単価の計算、補助材料の管理、ERPシステム権限等について規則化しました。また生産ラインの脇にアメーバマネジメント掲示板を作り、時間当り採算表、アメーバ日報表、月報表等標準化したフォームを作りました。
「古の道を聞いて唱えても わが行いにせずば甲斐なし」とおしゃる通りでした。つまり「いくらいいことを読んでも、聞いても、自分が実行しなければ意味はない」という意味
人間とは奇妙なもので、忙しいときには暇になりたいと思い、暇なときには虚しさを覚えてしまう。当時の二年間の私の心の状態を表現すれば、体は暇だけれども心はバラバラになり、虚しさを感じていたといえるかと思います。
やることがあるときは、人は体にエネルギーが充満しているように感じます。
【気付き】
小人閑居をして不善をなす、の言葉通り暇になるとろくなことありません。
忙しいと暇になりたいのですが、暇になると駄目です。目の前のことに必死になってやるほうが慣れているのも事実で、
一所懸命向き合って努力したらそしたら得意になっていきます。
仕事なんかもまさにそうで、営業だろうが制作だろうがデザインだろうが真摯に向き合うとコツがつかめ、
努力の結果熟練の技術が身につきます。そして得意になれば必要とされます、会社内部、外の顧客両方です。
そうすると期待されている仕事、人の役に立つ仕事は楽しく仕事が好きになります。
そして好きになって褒められて楽しく仕事してると、自分の仕事をもっとよくする、関わるスタッフ、取引先を幸せにしてあげたい、
と立派な志が立ちます。志立てば業務や業界の課題が色濃く見えてきます、大きなビジョン、志などあればまた事業は成長します。
こんな良いスパイラルを回したいと改めて思いました。
成功の困惑と心の遍歴
李〈盛和塾広州〉私の心理過程と康栄社の成長
塾長は「人生の目的とは、心を高め、魂を磨くことであり、それは日々一生懸命働くことによってなされる」とおっしゃっています。
「人生はすなわち努力であり、努力はすなわち幸せである」
【気付き】
努力は幸せ、魅力的な言葉です。
コツコツ努力すればだいたい勝てます、勝つまでやりきるというのはシンプルですが
本当に強い。ついでに司法試験ずっと落ちたことで、努力は大事、というのはあたりまえ。
ただ、努力を積み重ねたことでその努力だけでは、今の自分は大きく変わらないという悲しい現実が
ばちんと見えてしまうからです。模試で高得点でも本番落ちる、みたいなやつ、です。本番のコンディション、
メンタル、など全ての環境クリアが必要などなどは痛い目あって気付きます。
なので努力することで、ようやく「チャンスを発見する目」が研ぎ澄まされて、コツコツ努力して身についた
感受性をもって飛躍できるんだと、そんな感じがします。
なので努力は結果的に成功の糧、努力は幸せ、魅力的な言葉です。